海底針(かいていしん)

太極拳 海底針 Taijiquan Needle_To_Sea_Bottom
Taijiquan Needle To Sea Bottom 2

海底針は手首を掴まれたときの返し技である。

中国武術では関節技を総称して擒拿(きんな)と呼んでいる。

太極拳の海底針の技を説明してみたい。

敵は当方の右手首を右手で掴んでくる。

左手を敵のグリップ上に軽く添え、掴まれた手首をテコの原理で返し、敵の手首にフックのよう掛ける。(下の写真1を参照)。そして、そのまま真下に、腰の力に直結した指先の力で地面に突き刺すように下ろす。そして、最後に軽く一歩を踏み出す。(上の写真2を参照)。

顔は抑え込んだ敵の頭を見るのではなく、頭を立て周囲に気を配る。太極拳は、つねに、複数の敵を想定している。

海底針の技は、この指先を地面に突き刺すような動作から、針を海底に突き刺す表現で名付けられている。

この技を成功させるポイントは2つ。 掴まれた接点を軸に回転させる。接点を動かそうとしない。 動かそうとすると相手はグリップを強めてくる。もうひとつは、最初から最後まで腕の力を使わないこと、指先と腰の力のみで仕事をすること。力に対して、力で対抗してはいけない。

海底針は、想像力豊かな諸先生方が、いろいろな用法を説明されている。しかし、伝統の技とは先人が実戦の中で生み出したもの。用法はひとつしかないと思うのだが。

太極拳 海底針 Taijiquan
Taijiquan Needle To Sea Bottom 1