太極拳の4コマ動作とは?
太極拳の一連の技(わざ)は、4コマ動作で構成されている。
型を最初に習う時は、号令に合わせて動作を行う。
1、2、3、4、または、掤 (ぽん)、捋(りゅー) 、擠(じー)、 按(あん)。
掤 (ぽん): 相手の攻撃を誘う
捋(りゅー): 相手の拳をかわす
擠(じー): 相手との空間を一挙につめる
按(あん): 相手に掌(しょう)をめり込ませる
掤 (ぽん)と捋(りゅー)が、相手の攻撃を無力化する受けの動作。
擠(じー)と按(あん)が反撃の動作となる。
もう少し詳しく説明してみよう。
掤 (ぽん)
相手の拳を誘う動作であり、具体的には顔面を差し出す動作となる。
双方の間合いの均衡状態から、わざとすきを作り打たせる動作。
こちらの時間で、相手の攻撃を誘発できれば、対処がしやすくなる。
捋 (りゅー)
相手の攻撃を無力化して有利なポジションを確保する動作。
目を水平に保った状態で攻撃をかわし、反撃できる位置につける。
または、相手の腕に吸い付き、接触点で相手の攻撃の方向をそらす。
または、粘でもって相手を引き込み、相手の体勢を完全に崩す。
擠 (じー)
相手との間の空間を一挙につめる、重心移動の動作。
具体的には、手が飛び出し、重心が移動して、手が標的を捉えられる。
獣が獲物に飛びかかる時の動作と言える。
相手の攻撃をかわした手のタイミングで、無意識で攻撃を繰り出す。
按 (あん)
相手の顔面に手が触れてから、脳内部に勁の衝撃を伝える動作。
太極拳の掌(しょう)は顔面に吸い付き、勁力を他に逃がさない。
後足の踏ん張ると動作と、掌を顔面にめりこませる動作は連動する。
このロック状態は筋肉の硬直でなく、全関節と骨の配置で決まる。
太極拳の術理とは、相手に打たせて射止める、護身の動作である。
健康体操の24式太極拳も、この4コマ動作の繰り返しとなる。
正しい太極拳の内勁の動きは、ゴルフのスイング同様ひとつしかない。
これが伝統である。