太極拳の弓歩と掤捋擠按 (4)

太極拳 弓歩 順歩突き
Punch with Bow Stance

太極拳の按は単なるプッシュではない。

按とは掤捋擠按の4番目の動作で、打のことである。

太極拳の按は下半身の纏絲勁により、強力な撃力を生み出す。

 

それでは太極拳の按を弓歩の姿勢で説明しよう。

 

威力のあるパンチは、早くて重いパンチと理解できよう。

理論的には、まず、相手に向かってワープする重心移動が起こる。

前回のブログで説明した骨盤の並進運動だ。

 

前足に体重が移ると、下半身の慣性力にストップがかかる。

そのストップのエネルギーが上半身を加速させ、

拳の握りにより、打撃のポイントに体重が集中する。

 

この動作をコントロールする中心が仙骨であり、

太極拳は纏絲勁でもって、全身の動きを統括する。

 

打は弓歩の姿勢で完成する。

後ろ足は外エッジが大地にめり込む形で膝を伸ばしストレートになる。

前足も外エッジが大地に食い込み、股関節が外旋した弓なりとなる。

 

太極拳の弓歩は、纏絲勁がきいたアーチの姿勢である。

 

纏絲勁の中心が仙骨であり、仙骨は丹田の意によって動いている。

撃力を生み出すわずか時間に、仙骨は立体的に、ダイナミックに動く。

これが內勁と呼ばれるものである。

 

この內勁を獲得していないと、太極拳の技で戦うことはできない。

 

内勁を学ぶには、内勁を獲得されている師匠と出会うことである。

そして、その師匠が伝統の技を、用法も含めて継承されていることが望ましい。

 

掤捋擠按のそれぞれの動きに、内勁があり、纏絲勁がある。

次回は、最初の動きである掤を解説したい。