
起勢は型(套路)を演じる時の最初の動きである。
最初に言っておくが、起勢は技ではない。
気を丹田に沈め、背中を抜き、頂勁(ちょうけい)にて周りの空間と一体になる。下に指先を伸ばすと同時に指先に気を注入していく。(写真1を参照)
そして、腕の筋力を使わずに、両手をゆっくりと上げていく。(写真2を参照)
腹圧呼吸にて、吸いながら手を上げ、吐きながらゆっくりと手を下ろしていく。起勢において呼吸は意識で行う。しかし、その後は、呼吸は自律神経のコントロール下に入り、無意識で行うことが大切である。
起勢は身体をリラックスした状態のまま「意」をトップギアに入れる儀式だ。これにより、周りとの一体感が生まれ、空間を味方につけることができる。ただ何となく始めて、何となく終わるのでは、達成感は得られない。
起勢をおろそかにしてはならない。
