金鶏独立は手で相手の顔面を狙うと同時に、同じ側の足で下半身を攻撃する。
同時と言っても時間差があり、手が囮で、足が主攻撃となる。
動きの基本は、左構えの場合、左手で相手の動きを制止ながら、
右手で顔面を狙うと同時に、右足で下半身を攻撃する。
私は陳式太極拳の門派出身だが、簡化24式太極拳で金鶏独立を説明したい。
簡化太極拳では、下勢独立として、単鞭下勢と金鶏独立の技をコンビネーションとして扱っている。
単鞭下勢で陰部を左掌で殴打すると、相手は反射的に陰部を手でかばい、腰が引ける。この隙に乗じて、相手の中心線に入り込む。相手の内ももの付け根を左掌の甲で接触しながら進み、相手の股間を開いていく。(下の写真1を参照)。
さらに、左手の纏絲勁でもって相手の動きを制止ながら、右掌を相手の顔面に放り込むと同時に、右足で相手の陰部を攻撃する。(上の写真2を参照)。
単鞭で陰部を攻撃した後、さらに蹴りで陰部を攻撃するとは、武術とはえげつないものである。陰部の蹴りは型では表現しない。
金鶏独立は天空に住む架空の鳥が一本足で立つ姿勢から名付けられている。
技に反して、名前は優雅なものである。