手揮琵琶は太極拳の擒拿(関節技)のひとつである。
それでは、用法を説明することにしよう。
相手が右パンチを打ってくる。
それを、左前構えのまま、右手で聴勁をかけながら受ける。
(下の写真1を参照)
相手のパンチの速度に合わせて、ステップバックすると同時に、
左手を加圧ポイントである相手の肘に添える。
(上の写真2を参照)
この姿勢が、琵琶を奏でる姿に似ているため、技の名前となった。
太極拳の套路(型)は常に、4コマの動きで構成されている。
しかし、手揮琵琶は上の写真2に示すように3コマ目の動きで終わっている。
そのことは、左足のつま先が浮いていることからも理解されよう。
この後の動作は、腰を右にひねりながら、前つま先を右に回すと同時に、肘に圧力をかけ相手を倒す。
これが、技を完全に決める4コマ目の動作となる。
中国武術では套路(型)を見られても用法をさとられないように隠す場合がある。