如封似閉(にょふうじへい)は防御姿勢であり、距離を確保しながら相手の動きを封じ込めた状態を言う。(写真1 参照)
陳式太極拳では六封四閉(ろっぷうしへい)と呼ぶ。
手を絡めあった攻防の結果、相手の両腕を開き胸元に入り込み、胸板に両掌をピタリと貼り付ける。相手にとっては背筋が凍る瞬間である。
相手は、体を開かれた状態で手が出せず、頭突きや蹴りで反撃するこも出来ない。両掌で聴勁をかけながら、体幹の動きを読み取り、相手に反撃させない。
もし、相手が無理やり反撃に出ようとしたら、寸勁で相手を弾き飛ばす。
または、手を変化させて、顔面や首を攻撃する。
しかし、こんな絵に描いたような場面は、両者によほどの力量差がないかぎり成立しないだろう。
理論的に言えば、相手と密着した状態で間合いを優位に保つ。それ以上でも、それ以下でもない。