攬雀尾はよく陳式太極拳の懶扎衣と比較されるが、全く別の技。
擒拿であるのだが、その実態はベールに包まれている。
それでは、説明しよう。
攬雀尾はまず、相手の肘を固める。そして、次に手首を固める。
この一連の流れが、孔雀の尾を掴み、相手を逃がさない動作に似ている。
ひとつの用法として例をあげてみる。
相手は左手で胸ぐらを掴んでくる。
右手で相手の拳を取り、左手で肘を相手の外から内に上げる。
(写真を参照)
こんどは引くと同時に相手の手首を固める。
(写真を参照)
そして、相手の外側に固めた手首を押し込んでいく。
小手返しの要領と同じ。
相手は右パンチを出したくても出せない。
これが、攬雀尾となる。
(一番上の写真を参照)
型ではこの後に、如封似閉が付け加えられ、攬雀尾のセットとして扱われる。
このことが、攬雀尾の技の解釈を難解にしているのではないだろうか。