馬歩(馬步)は武術の基本の立ち方である。空手の騎馬立ちに相当する。
中国武術において、立ち方は流派により異なる。
太極拳の馬歩(馬步)とはどういった立ち方であろうか?
では説明しよう。
つま先を前方に向け、肩幅の2倍の歩幅で並行に立つ。
左右に膝を割り込みながら、股関節を外旋して、仙骨を前に押し込む。
そして、反り返らないように含胸抜背の姿勢をとる。
これにより、丹田に重心を感じることができる。
さらに重心(丹田)を落としながら、下半身に圧をかけていく。
臀部と太ももの筋が張った、鉄のアーチが完成する。
アーチのトップに仙骨があり、上半身を支えている。
仙骨の上に背骨が自然なS字を描きバランスよく突っ立っている。
太極拳の馬歩(馬步)の特徴は、股間が丸くなるアーチ姿勢にある。
足の外側のエッジと親指が大地に食い込む感じが、膝を痛めなくて良い。
両足の筋肉が硬くなっている厳しい姿勢である。
初学者は足がブルブル震えたり、汗だくになったりすることがある。
馬歩(馬步)は、足腰を強くする。
しかし、それは結果であり、
下半身の筋と腱を鍛えることを目的にしてはいけない。
目的を間違えると正しい姿勢にならない。
どっしりとした動けない足になっている残念なケースを見かける。
武術の足は軽硬で、一瞬で変化できるものである。
馬歩(馬步)の正しい姿勢を学ぶことは、とても大切だ。
この基本のアーチ姿勢ができていないと、その後の上達はありえない。