金剛搗碓は陳氏太極拳の看板技のひとつです。しかし、その用法はあまり知られていません。

その背景には、用法が限られた範囲で伝えられてきたことや、套路を中心に伝承される過程で、動作の意味が十分に共有されなかったことがあるのではないかと、私は考えています。
今まで技を公開することを躊躇してきました。
しかしながら、套路の動きにどのような意味があるのか。それを伝えることも、陳氏太極拳を受け継ぐ者の役割ではないかと考えるようになりました。
私が伝授された用法では、金剛搗碓の名称は技を表しています。碓(たい)は穀物をつく道具、つまり搗碓(とうたい)は臼(うす)の穀物を杵(きね)でつく動作を表します。また、金剛(こんごう)は揺るぎない力を思わせる名称です。
技は写真に示したように、相手の頭を右膝で固定させ、右拳を頭に落とします。
**「套路の動作に置き換えて見ると、」**
右膝が臼であり、左手のひらが穀物(相手の頭)であり、右拳が杵による鉄槌動作となります。
この用法で大切なのは、力の強さだけではありません。相手の力と正面から衝突せず、動きに応じてつながりを保つことです。そこに、太極拳の「纏絲勁」と「化勁」の考え方が表れています。
相手の頭を膝に固定させるには、二つの動作が必要になります。 動画では、相手とのつながりを保ちながら動く様子と、それに対応する套路の動作に注目してみてください。
用法の実演では、安全に配慮し、打撃を相手に当てずに動作を示しています。
套路の一つひとつの動作に意味があること、そして、その背景に太極拳の身体操作があることを感じていただければと思います。
**「金剛搗碓の用法と套路を見る(20秒)」**
