雲手は太極拳の母式と言われている。
雲手の練習なしに太極拳はありえない。
太極拳のファイティングスタイルは、手を触覚にして戦う。
いかなるスピードのパンチ、蹴りに対しも絡め取ることを基本とする。
手のさばきの基本となる動作が、雲手なのだ。
雲手の練習において意識しなければならないのが、身体とのつながり。
ゆっくりした動きでも、早い動きでもこのことは変わらない。
早いパンチを対処しようとした途端、手のみの動きになる人がいる。
推手が出来ても、パンチがさばけないのでは、武術ではない。
頂勁を心がけ、指先を霊活させ、背中が抜けていないと遅れが生じる。
手によるさばきは、よくよく研究すべし。
難しいことを言ってもしょうがないので、基本の説明をしたい。
馬步の姿勢で、順方向と逆方向の雲手を常に練習すること。
次に、套路(型)にあるように、横歩きで行う。
これにより、足と手の動きが連動していることを学ぼう。
上下相隨と言う。
横歩きによる上下のつながりを会得できたなら前後にも動いてみよう。
また、順方向と逆方向の雲手を左右で組み合わせて行ってみよう。
雲手による手のさばきは、技を仕掛ける時の基本となる。
このことが、身体で理解出来れば、套路(型)も格段に進歩する。
後退時の逆方向雲手は、実際の闘いにおいても非常に有用となる。
もう一度繰り返すが「雲手の練習なしに太極拳はありえない」である。