太極拳をやっている人は、一般的に言って蹴り技が苦手なようだ。
つま先で蹴るにも、踵で蹴るにしても、
力の方向が定まっていない蹴りをよく拝見する。
蹬脚は相手を制した状態で、ハンコをポンと押すように踵で蹴る。
垂直に立てた板や、壁に向かって練習するとよい。
踵を満遍なく板や、壁に当てることが大切。
狙いは相手の下腹、膀胱を革靴のヒールで蹴るので威力がでる。
決して強く蹴ろうとしないこと。腰の推進で押し出す感じでよい。
姿勢が正しければ、踵と大地で作用反作用のロックがかかる。
蹴り技は、蹴り足の筋力は極力使わないことが重要。
軸足の膝に溜め込んだエネルギーで、つま先を上げる。(写真を参照)
つま先が上がれば、結果として膝があがる。
次は片側の尻を持ち上げていく。
「ケツを割れ」「ケツを割れ」と教わったものである。
姿勢により、蹴る踵と大地がアーチ状につながり力が逃げなくなる。
そして、これらの時間をコントロールしていのは
両手の指先であることは言うまでのない。
太極拳の蹬脚は見かけより、はるかに威力がある。
決して受けたくはない蹴り技と言える。