太極拳はなぜ健康に良いのか?
全身がつながった、
ゆっくりとした動きには、不思議な感覚がある。
内勁により、
中心軸から手足の末端まで連動する完全調和がそこに存在する。
その効果を三つ挙げてみたい。
1)自律神経の乱れを調整、気分がすっきり
自律神経は、消化など意識に関係なく体をコントロールしている。
自律神経は、陰陽のごとく、
交換神経と副交換神経のバランスで存在している。
ストレス社会では、
交換神経優位となり、アクセルを踏んだ状態で止まっていたりする。
腹式呼吸でゆっくり吐きながらのスロー動作は、
動中に静を求める動きと言える。
また、吐くから吸うに転じる一瞬の変化は、
静中に動を求める動きだ。
前者が副交換神経を、後者が交換神経を刺激して、
自律神経のバランスを整えていく。
型をおこなった後は、気分がすっきりした、
リラックスモードになれる。
2)血行がよくなり、細胞が元気に
血液の役目は、酸素や栄養素を細胞に運び、
不要になった二酸化炭素や老廃物を回収すること。
この微小循環がうまく行かないと、細胞が病気になったり、
新陳代謝に問題が生じる。
太極拳のスローな全身運動は、
毛細血管の微小循環を助ける効果がある。
型をおこなった後は、全身の細胞が静かに高揚している感がある。
また、細胞を若く保つ美容にも効果があるのではないか。
3)姿勢を意識、姿勢が良くなる
太極拳の動作は意でもって、身体の中心軸を動かす。
両目を水平に保ち、まっすぐな感覚で動いている。
内勁の動きは、全身の関節の位置関係に完全な調和を求める。
勁力が効率よく伝わるには、正しい姿勢が必要となる。
ゆっくりな動きは、ごまかしがきかない。
私の場合、姿勢のポイントとして、仙骨と頚椎を意識している。